曽田耕(そだこう)は、独特の風合い、質感を持ったレザー製品を手掛けるブランドで、デザイン、製作ともに曽田耕氏が携わっています。カバンやシューズが有名ですが、レザーの切れ端をパッチワーク状に張り付けていったところがまず印象的で、本当に製品なのか？と最初は驚くのですが、全アイテムにわたるその特徴には力強い作家性、特にメッセージがあり、今ある世の中の製品に対する不満やアンチテーゼが感じられるのです。曽田耕が重視するのは意図やギミックを考えるのではなく、感じるまま無思考に、自然にあるがままにリズムよく組み立てていくことで、そういったことから製品を販売するだけではなくレザーアイテムのワークショップも精力的に行っているのです。しかし曽田耕氏自身が手掛ける既成ラインはやはり一朝一夕に生み出せるようなものではなく、素朴な味わいながら職人として確かな技術を持っているからこそ肩の力を抜いているのに独特の個性を発揮できるのです。